お部屋の空気を取り込んで、湿気を除去する除湿器は、梅雨時~夏の湿気が多い時期に多く使用されるといわれてます。
しかし、冬季間氷点下になる地域に関しては、基本部屋干しとなるため、冬場においても重宝しますし、結露対策にもなります。
最近のモデルでは、除菌・脱臭機能が搭載された商品も多く出回ており、特定の衣類を集中的に乾燥させる機能を持っている商品もあります。
色々な機能があるからこそ、どの除湿器に自分にあっているかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、除湿器の種類・違い・選び方について詳しく解説いたします。
|除湿機と衣類乾燥除湿機の違い
室内の除湿を除去してくれるのが、「除湿機」ですが、衣類乾燥除湿機も室内を除湿する機能があります。
大きな違いとして、除湿器には搭載されていない、衣類を乾燥させる機能がついているかどうかです。衣類除湿乾燥機は、広範囲に風を送る、温度や湿度を検知して、風を自動調整するなど、幅広い機能が搭載しています。
普段家電量販店で販売している商品は、現在ほとんどが「衣類乾燥除湿機」なっていますよ。
因みに「衣類乾燥機」というのもあります。これはよく洗濯機の上等に設置して使うドラム式の乾燥器です。使い勝手は全く異なるものですね。
|除湿機の種類
それでは、衣類乾燥除湿機には、大きく分けて、「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリット式」がありますので、それぞれの特徴を説明いたします。
[コンプレッサー式]
空気を冷やして結露させ、水分を取り除く方法。コンプレッサーを通して冷媒(フロンガス)を循環させて、冷却器で湿った空気を冷やして湿気を水滴に変えます。
普段の生活の中で例えると、夏場に氷水を放置すると、コップ表面に水滴が浮かび上がってきますよね?これは、室内の空気が氷水で冷やされて、結露したもので、原理はそれと一緒になります。
冷たい水の入ったコップがコンプレッサーの役割ですね。
【メリット】
・電気代が安い
・除湿量が多い
・梅雨や夏場に強く室温があがりにくい
・梅雨や部屋干しに向いている
電気代が安く、除湿量が多いのが特徴ですが、もう少しメリットについて触れていきます。
〇消費電力が少ない(電気代が安い)
コンプレッサー式は、デシカント式と比べると、電気代が安くなっています。
例 コンプレッサー
SHARP CV-L71 定格除湿能力 6.3L/日の場合
一時間当たりの消費電力 175W/約4.7円
デシカント
Panasonic F-YZUX60 定格除湿能力 5.4L/日の場合
一時間当たりの消費電力 465W/約12.5円
除湿量はコンプレッサーの方が上なのに、電気代は圧倒的に安くなります。
〇除湿量が多い
コンプレッサーは除湿量が多く、最高クラスのものだと、除湿能力で18L/日のものもあります。
お部屋がとても広く、コンプレッサーでないと、カバーしきれないケースもありますね。
〇梅雨や夏場に強く室温が上がりにくい
除湿機を買うなら、ここは必ずチェックが必要です。
除湿機を使うと、「室温は必ず上昇」します。
特に夏場等の熱い時期での室温上昇はかなり厳しいですよね。
コンプレッサー式除湿機は、温度が上がっても1℃~2℃程度となるので、そこまでの温度変化はないといってもいいです。
逆に低温時に使用する場合は、コンプレッサーの効果が最大限に発揮できないので、注意が必要。※デメリットにて細かく解説
そのため、梅雨時期などで、天日干しなどが出来ないときに最適となります。
【デメリット】
×本体が大きくて重い
×振動音がうるさい
×室温が低いと除湿能力が下がる
では、デメリットについても、詳しく触れていきます。
×本体が大きくて重い
コンプレッサーと、熱交換機器が金属の為、本体が大きくどうしても重くなってしまいます。
そして除湿能力が高い=出てくる水の量が多い為、受け皿のトレイも大きくなってしまいます。
先ほど例として上げたSHARP CV-L71も重量は約9.4KGあります。実はこれでも軽い方の分類なんです。
因みにもう一つのデシカントPanasonic F-YZUX60は約6kgです。なんと3kgも重いんです・・・
×振動音がうるさい
コンプレッサーの振動音が気になってうるさいと感じる人もいると思います。
実はdb数はそこまで実は変わらないんです。ただ、コンプレッサーの場合は、モーター音がとにかく気になってしまう人が多い為、うるさく感じてしまうのかもしれません。
×室温が低いと除湿能力が下がる
コンプレッサー式はとても寒さに弱いのです。お部屋の温度20度以上を推奨しているので、この室温以下となると、最大限の除湿能力を発揮できない場合があります。
デシカント式は暖かい風で衣類を乾燥させるのに対し、コンプレッサーは結露させて水分をとります。
そのため、温度の低い室内で、氷水をおいても、中々結露しないのと一緒で、コンプレッサーをキンキンに冷やしても水分をあまり取ってくれなくなります。
コンプレッサー式 おすすめメーカー
コンプレッサー式でお勧めするメーカーは
・SHARP
・コロナ
・三菱
コンプレッサーを採用しているのが、大体この3メーカーになります。
どのメーカーを選んでも大丈夫だと思いますが、簡単な特徴をご紹介しますね。
・SHARP
「プラズマクラスター」搭載で、除菌・消臭に優れている。
・コロナ
同等のレベル帯の場合、比較的安価に購入する事が出来る。
・三菱
「ムーブアイ」機能搭載で、湿気の多いところを見つけ出して、集中的
的に除湿してくれる。
コロナの除湿機であれば、お安いものだと2万円前後で販売されています、しかし、あくまで除湿するだけとなるので、部屋干しの匂いや、部屋全体の除菌もしたい、そういう方はSHARPをお勧めです。また、ジーパン等の比較的乾きにくい衣類を多く洗濯される方は三菱をおすすめします。
【デシカント式】(ゼオライト式)
デシカント式は、水分の吸着性能に優れたゼオライト(乾燥剤)で水分を取り除く方式です。コンプレッサーとは違い、フロンは使いません。
ゼオライトに水分を吸着させ、乾いた空気を送り出します。その吸着した水分は、ヒーターで温められて、熱交換器内を通り、冷やされて水滴に戻りタンクに溜まっていきます。
【メリット】
・低温時での除湿が可能(通年利用可能)
・コンパクトで軽く持ち運びが容易
それでは、デシカントのメリットをもう少し細かく触れてみますね。
・低温時での除湿が可能(通年利用可能)
デシカント式は、ヒーターを使った除湿方式なので、冬場の低温時にも、持続した効果が見込まれます。その為、一年を通して使いたいと思っている方にお勧めです。
しかし、室温は3~8℃程上昇してしまうため、夏場はエアコンとの2重稼働をしないと、正直室内にいることは難しいかもしれません。
・コンパクトで軽く持ち運びが容易
コンプレッサーとは違い、フロンを使わないことから、軽いものが多いです。平均的にコンプレッサーと比べ3kg~5kg程違います。
その為、部屋間の移動が容易となるため、女性でも持ち運びが楽になります。
【デメリット】
・ヒータを使う事で、電気代が高い
・発熱量が多い為、部屋の温度が上がる。
それでは、デメリットの部分も細かく触れてみましょう。
コンプレッサー式のデメリットで触れましたが、
例 コンプレッサー
SHARP CV-L71 定格除湿能力 6.3L/日の場合
一時間当たりの消費電力 175W/約4.7円
デシカント
Panasonic F-YZUX60 定格除湿能力 5.4L/日の場合
一時間当たりの消費電力 465W/約12.5円
この通り、除湿能力はコンプレッサーの方が多いのに、電気代はデシカントの方が高くなってしまいます。
一日3時間使用すると・・・
コンプレッサー 月約437円 年間5.244円
デシカント 月約1.162円 年間13.950円
単純計算で約2.5倍ほどの電気代が違ってしまいます。
また、発熱量が多いのも特徴で、約3~8℃程室温が上昇します。冬場は暖房として重宝すると思いますが、梅雨時期や夏場の中で使用する場合は、使用中は室内に入らないことをお勧めします。
デシカントおすすめメーカー
・Panasonic
・アイリスオーヤマ
・日立
デシカントの場合は、ほとんどPanasonic一択になるのではないでしょうか。比較的価格が安いうえに、上位モデルには「ナノイー」も搭載し、除菌・消臭機能も組み込まれています。
アイリスは空気清浄機の一体型やサーキュレータ機能付きなど、色々なアイデアが盛り込まれていて、除湿機+アルファでほしい方にお勧めです。
日立はよりコンパクトで、静穏性に優れたシンプルデザインです。使う場所が狭い方には良い商品ですが、タンクが多少小さく、水捨て回数はほかの商品よりも多くなります。
総評すると、Panasonic デシカント式除湿機がお勧めですね。
【ハイブリット式】
ハイブリット加湿機は、上記コンプレッサーと、デシカント式の良い面を合わせ持った除湿機です。
コンプレッサーは電気代は安く、梅雨時期や夏場の使用に適していますが、冬季間での使用は、除湿効果が弱まります。
デシカント式は、冬場の使用は安定していますが、電気代が高く、夏場の使用においては、室温が上がるため、あまり適していません。
これらの長所を組み合わせることによって、オールシーズン使用する事がハイブリットの特徴です。
ハイブリットは、冷却器を内蔵している「コンプレッサー式除湿機」と、乾燥剤に水分を吸着させヒーターで温め気化し、熱交換器を通して結露させ除湿する「デシカント方式」の仕組みが両方組み込まれています。
【メリット】
・1年中高い除湿能力を維持できる。
・気温により除湿方式を変えてくれる。
ハイブリットは季節によって除湿方式を変えて運転をするため、一年中オールシーズンで使用する事が出来ます。また、ランニングコストもある程度抑えられるため、季節に関係なく、常に除湿機を使用したいという方にお勧めです。
【デメリット】
・価格が高い
・本体が大きく重たい
デメリットは価格が高いこと。デシカントやコンプレッサー式と比べ、倍近い値段もすることがあります。また、両方の方式を採用している為、筐体が大きく、重量もあるため、中々持ち運びは難しいかもしれません(キャスターはついてます)
ハイブリット除湿機 おすすめメーカー
・Panasonic
ハイブリットのトレンドである衣類乾燥・部屋干しに力を入れており、
種類が豊富。価格は高いものの迷ったら選んで間違いなしの商品です。
・SHARP
独自開発の「プラズマクラスター」を搭載し、空気中に浮遊している
カビ菌等を除去する働きがあり、特に脱臭能力に優れています。
・アイリスオーヤマ
魅力は「価格」と「コストパフォーマンス」。一人暮らしや、日々の水
光熱が気になる方にお勧め。
総評すると、予算的に余裕のある方は、ハイブリットをお勧めします。夏場の使用や梅雨時期での使用は「コンプレッサー式」、冬場での使用は「デシカント」として使う事が望ましいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。